債務整理コラム
闇金に手を出した人の行く場所は?
以前、闇金に手を出した人が赴く場所について述べました。いわゆる「タコ部屋」と言うものです。違法労働の権化のようなこの場所は都市伝説のように様々な話題が供されていますが、それもそのはず。タコ部屋には一律した基準と言うものが何もないためです。ただ、一般的な共通点として一度入ったらまずほとんどの人が出てこられないこと。また、暴力と搾取によって徐々に洗脳されてゆき、脱出する気概が次第になくなってくる事などがその特徴として挙げられます。このように人の人生を完全に破滅させてしまうものがタコ部屋であり、またその大元である闇金ですが、闇金そのものは昔から人々の日常生活とともにあり、ある意味では交通事故のように身近に潜んでいる危険だと言えるでしょう。ですので「自分とは関係ないよ」と突き放してしまうと、いざと言うときに大パニックを引き起こす可能性もあるのです。
さて「タコ部屋」と言う話を採り上げましたが、闇金に手を出した挙句、債務者が送られる先は必ずしもタコ部屋であるとは限りません。闇金側からしてみればいかに違法な金利であっても、債務者がそのお金を返せるのか返せないのかが問題なのです。そのため、すぐに借金を返せるようであれば、逃げ出す恐れのない程度の日雇い労働などに使われる可能性も生じます。また女性であれば水商売などで働かされる事もあるでしょう。いずれにせよ、闇金から借金をした場合、世間一般で言うところの3K(危険・汚い・きついの頭文字)と言われるような業務に従事する可能性が非常に高くなります。また場合によってはあからさまに犯罪であるようなものに手を貸さざるを得なくなる可能性すら生じてきます。
上述した「3K」と言われる仕事は今でもごまんとありますが、今それらの中で最も送られやすい場所がある事をご存知でしょうか。タイムリーな上にその地域の人々の心情を慮るととても明言はできませんが、日本の誰しもが知っている痛ましい場所だとのみ記しておきます。少し頭をひねってみればすぐに気づく事のできる場所での仕事です。マスメディアなどはあまり報じないようですが、その場所で働いている人々の一部が債務者である事は少し考えればわかるはず。世間一般の人が顔を背けざるを得ない場所で、ましてや派遣会社の孫請け・曾孫請けにピンハネを繰り返された挙句、コンビニのアルバイト料金以下の金額しか貰えない状況で、想像を絶するような危険な労働を誰が望んで行うでしょうか。正義感で動いた人も中にはいるかもしれませんが、そのような方で人手が足りるはずがありません。結局のところ、危険な場所で現在日本の安全を支えているのは、借金を負って返せない人々が多くを占めていると言うのが実情なのです。このように当たり前ではあるものの、なかなか想像がつきにくい日陰の中に消費者金融などの貸金業務は成り立っています。皆様も何気なくクレジットカードを使い、何気なく消費者金融から借金をするかもしれませんが、その板子一枚下は地獄だと言うことをゆめゆめ忘れてはなりません。 ましてや闇金と言うものはいわゆる「トイチ」のみならず、十日で五割の「トゴ」や十日で十割の「トジュウ」などと言うものも存在する世界です。そのため、一度労働に駆り出されたら、債務者個人が自力でそこから抜け出るのは至難の業です。ただし、そのような危険性を感じ始めたのであれば、そのときこそ債務整理の専門家に依頼して欲しいと考えています。その場合、自己破産をしない限りは、相手が違法だからと言って借りたお金がすべて一律に消え去るわけではありません。「トゴ」や「トジュウ」で無茶苦茶に膨れ上がった借金ではなく、元本に対して適正な金利のみで計算し直すと言うかたちになるでしょう。それであっても仮に債務者が闇金に対して何回か返済をしていたのであれば、過払い分が返ってくる事が多いのが実情です。
このように字面に起こすと、闇金からつながっている違法労働などの世界は、どうしても社会の闇の部分に隠されており、自分とは関係のない話のように思えてきてしまいます。また、借りる側としても闇金などからお金を借りる状況では精神的にやぶれかぶれになっており「違法なものならば突っぱねても問題はないだろう」とか「異常な金利であるならば警察に駆け込めばよいだけ」などと考える方も中にはおられると思います。しかし、向こうも犯罪のプロです。そのような事柄は百も承知。実際に闇金でお金を借りるような局面になったのであれば、まず世間一般の神経の持ち主であれば、まともに太刀打ちはできません。当初は別にお金を借りることそのものを否定するわけではありません。しかし、その向こうにあるものまでしっかりと思いを馳せておくことが大切です。