債務整理コラム
借金をシンプルに考えよう
債務整理についてたくさんのご相談を受けていると、やはり借金に関してお悩みになるパターンと言うものが見えてまいります。例えばそれは生まれや家庭環境・ご職業や年齢・性別など。家族の問題や周囲との軋轢、外聞などを気になさる方などは枚挙にいとまがないほどです。またそれらの悩みが壁となって、なかなか債務整理に着手できないと言う方も多い事でしょう。
人は一人ひとりに人生のドラマがあります。そのため、債務整理を行いたくない理由も百人百様です。しかしながら、実のところ借金の悩みはとてもシンプルなものなのです。なぜなら借金は人間の生存に不可欠な衣食住に滞りが生じるため。これを証明するとても簡単な方法があります。それはキャンプです。
友人たちと連れ立って郊外にキャンプに出かけてみましょう。キャンプと言っても使えるものはナイフとマッチだけです。このため、衣食住の確保が不可欠となります。寒さ対策や料理のための火おこしをするにしても、まず必要なものは枯れ枝や枯れ葉などを集めなければなりません。食事をするにしても自分で山菜を取ったり、釣竿を作ったりしなければなりません。寝る場所を探すのであれば洞窟を探しにいくか、落ちている木を組み合わせて住居を作らねばならないのです。
この生活においてお金は一銭も必要ありません。一泊でも二泊でもこのようなアウトドア生活を送ってみると借金についての悩みと言うものがばかばかしくなってくるはずです。「こんなシンプルな生活で人間は生きていけるのか」と気づくと案外元気が出てくる事でしょう。
しかし、また同時にこれらのキャンプを一人で行うことは至難の業です。このため、役割分担をする必要が必ず生じてきます。火を起こして料理の準備をする係・焚き木や枯れ枝を取ってくる係・料理の材料を取ってくる係・住居を探したり作ったりする係など、分担すればするほどにこのアウトドア生活は楽になってくるのです。
この生活では例え誰か一人でも自分の役割をさぼったりすると、たちまち全員が窮地に陥ってしまいます。このため、自分勝手な行動は絶対に許されません。病気をする事すら仲間の生活を脅かしかねないのです。これはとてもシビアなようですが、逆に考えてみるととても素晴らしい事。誰しもが自分の業務に対して社会から求められていると言う事に行き当たるためです。社会から求められていない不要な人間など誰もいません。このように生活をシンプルにしてみる事で社会から求められている労働と言うものの尊さがはっきりと分かってくるはずです。
さらにこの生活を推し進めてゆくと、今度はお金と言うものが実は時間のストックである事に気づきます。具合が悪いとき、何か用事ができたとき、お金を払うかわりに誰かが自分の役割を少しの間肩代わりしてくれる。言葉尻ではなく、実際に身体を通して労働やお金の価値に気づく事ができたとき、債務整理を行うべきか否かなど悩んでいた事がばかばかしくなるはずです。なぜなら、借金が増えてしまうと生存できなくなってしまうためです。
世界に名だたる投機家として有名なジョージ・ソロスと言う人がいます。ユダヤ人である彼は子どもの頃、ナチスのユダヤ人狩りから逃れるため、各地を転々としていました。絶望的な状況であがき続けたソロスですが、彼の父親は子どもであったソロスを追手から逃がすときに「どんな手段を用いてでも、まず生き残れ」と告げたと言います。この後、成人したソロスは投機家としてイギリスに通貨の売り浴びせを行い、世界史を塗り替えるほどの巨額の財を成したわけですが、その彼はお金を儲けることについて、常にこのような言葉を述べています。
「まず生き残れ。それから金儲けをしなさい」
シンプルに考えましょう。債務整理とはあなたが生き残るための手段なのです。