債務整理コラム

絡まった糸をときほぐす

「借金は怖いもの」

「多重債務」とは借金に借金を重ねた状態のことです。借金の返済のために借金をしてしまう。その行為は借金をしていない人からすれば「とんでもないこと」と思うかもしれません。しかし多重債務になってしまった人にはそれぞれ理由があります。それは子供さんの学費のためだったり、生活費のためだったり、また病気のご家族のためだったりするのです。多重債務を「とんでもないこと」と一概に責めるのは間違いです。

しかし、百人百様の原因のある多重債務でも、債務者となった人々からお話をお伺いしてみると、不思議とその多くに共通点を見出すことができるのです。

人が多重債務に陥ってしまう理由。それは債務者の心の奥底に「借金が怖い」と言う思いがあることです。当所を訪れるようなまじめな方は、大体が多重債務に陥ってしまったものの、心の底では何とかこの苦境から抜け出したいとわらをもすがる思いを持っています。それは「借金とは必ず返済しないといけないもの」と言うまじめな思いが心に潜んでいるからです。そしてそのまじめな気持ちの根っこには借金や借金取りが怖いものと言う気持ちがあるはずです。

そもそも借金が怖いのは当たり前です。怖くなければ誰もが借金に借金を重ねます。誰も返済をしてくれないと消費者金融だって会社が成り立ちません。そのため、返したがらない相手を脅して言うことをきかせることを目的に、借金取りは怖い容貌や態度を取るのです。

それでも、もしかしたら借り手の中にも開き直って「借金なんて怖くない。借りられるだけ借りてあとは知らない」と言う人もいるかもしれません。ただ、そのような人は債務整理にはまず訪れません。なぜかと言うと借金をばかにしている分、借金をなくすと言うことも軽んじてしまうためです。そのため、借金も債務整理もばかにするような人は、お金で成り立つ社会からばかにされてしまいます。このような人の行き着く先は最終的には夜逃げをするか、取り立て屋に半ば恐喝されて、安い賃金でこきつかわれる日雇い労働で働くかになってしまうのです。この結果を考えてみれば「借金が怖い」と言う感情はとても健全なものであることがわかるはずです。

債務整理について相談をしたいと打診をしてきた債務者の方とお話をすると大抵の方は「もうどうしたらいいのかわからない」と述べてきます。しかしよくよくお話をお伺いしてみると「ああ、この人はとてもまじめだな。だから借金が怖いのだな」と話を聞いている方は気づきます。

「何が怖いのかを考える」

「借金が怖い」理由は消費者金融そのものとは限りません。借金で手持ちのお金がなくなるとガスも電気も止まります。家賃だって支払えなくなってしまいます。このため、消費者金融に留まらず、借金とはそもそもが「怖い」世界なのです。

借金が怖いと言う気持ちはとてもまっとうなものです。そこから気持ちが外れるとろくな人生になりません。ただ、そのために「もうどうしたらいいのかわからない」となってしまうと当方としてもやはり気の毒になります。

多重債務の人は文字通り「もうどうしたらいいのかわかりません。助けてください」とはっきりと言葉にして当所にご相談してきます。当所ではこれまで何千もの借金問題を解決してきました。ですので「どうしたらいいのかわからない」とおっしゃって下されば、どうすれば良いのかすぐにお教えできますし、また当所に債務整理をお任せいただけるのであれば、一切の心配をすることなく、以降の借金問題は当所がすべて解決いたします。

ただ、借金を解決すると言うことと、借金の不安を拭うと言うことは別物なのです。当所が債務整理の手続きを行なっている間にもはらはらした不安な気持ちが心のどこかに残っているのは、やはり当所としても気の毒に思います。

借金を抱えて「どうしたら良いのかわからない」と言う言葉は本当に的を射ているものです。なぜなら借金とは複雑かつネガティブな要因がいくつも絡まり合っているものだからです。

だから、借金の問題で不安を抱えた際にはまず「何が怖いのか」に思いを巡らせてみましょう。生活費がなくて怖いのか、これから入用になるお金がなくて怖いのか、それとも借金取りの恫喝が怖いのか、今後の不安が怖いのか。それによって考えるポイントも定まってきます。

漠然とした不安に駆られつつ、戦々恐々としながら返済日を待つような生活ではストレスで体調を崩してしまいます。当所といたしましても例えば「借金取りの恫喝が怖い」とか、「返済までの利息分が怖い」と言うようにご相談いただけるのでしたら、どうすればその問題を根絶できるのか、きちんと噛み砕いてご説明することが可能となります。

借金で不安を覚えた場合、大切なことは絡まった糸をときほぐし、何が不安の種になっているのかを見極めることです。苦しい状況であればあるほど落ち着いた気持ちを忘れず、借金問題に対処してゆきましょう。

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