債務整理コラム

債務整理の無料相談とは「地図」を得ること

多くの債務整理業者では、いまやフリーダイヤルやメールを用いての無料相談が当たり前となっています。しかし、そもそもこれは何のためにあるのでしょうか。お客様にとってどのようなメリットになるのでしょうか。今回はこの無料相談フォームやフリーダイヤルの正しい使い方や目的についてお話します。

そもそも、お客様から見て債務整理のための無料相談は何のためにあると思いますか。債務状況を教えることで、引き替えに債務整理を依頼するため? それは間違いではありません。確かにそういう面もあります。

しかし、より正確に申し上げれば無料相談とは「プロの視点から借金問題について正しい判断をもらうため」にあるのです。借金を抱えている人は次の返済日までに幾ら必要かを計算し、その間に何とかお金をやりくりしなければと考えます。しかし返済が厳しくなるにつれて、どうしてもそれができなくなってきます。悩んでいる間に借金返済のために時間が迫ってきて、ますます正常な思考ができなくなり、そうしてやがてはパニックになってしまう。このようなとき、とりあえず無料相談を行なってみることで債務整理をするか否かに関わらず、まず目先の解決手段となるアドバイスを得ることができるのです。

もちろん、アドバイスを受けたからと言って、必ずしもそれに従う必要はありません。借金問題は人それぞれです。ときにデリケートな悩みも存在することでしょう。また、いかに名高い弁護士・司法書士でも、誰もがメールと電話のみで百発百中の完璧なアドバイスを行えるわけではありません。

ただ、無料相談を行わない債務者の方は借金について初めから返すつもりがないか、そうでない場合、弁護士・司法書士をまるで信用しておらず、ともすれば「どうせ債務整理の話をするためのきっかけだろう」と言う意識が先立っているようなのです。確かにそれは否定できません。世の中には「売らんがな」の意識が先行している債務整理事務所も多数見受けられます。大手であれば安心かと言えばそうでもなく、債務整理業界の中で急速に知名度を伸ばしたところなどは「売らんがな」の傾向が強いかもしれません。

しかしながら、それでもフリーダイヤルや無料相談にはそれ以上の価値があります。なぜならこれまでに数千件もの債務整理を行なってきた者からすれば、ほぼ直感的に「この債務者の方は、現状の借金のままではどうなるか」が分かり、問題が悪化する前に救いの手を差し伸べることができるためです。

債務整理を専門とする司法書士には、債務者と異なる一つのスキルがあります。これは一般的には「鳥の目」と呼ばれます。いわゆる「デキる」弁護士や司法書士は皆この「鳥の目」を持っていると言われています。

「鳥の目」とは何か。端的に言えばこれは「問題を高いところから眺められる」力のことを言います。全体を見渡せる力のことです。誤解されやすいのですが、偉そうな態度であるいわゆる「上から目線」ではありません。「鳥の目」とは文字通り、鳥のように高い位置から全体を見回す視点を持つことで、地面で迷っている人に対して正しい方向性を示唆することができるスキルのことです。

例えば警視庁や外務省のウェブサイトには「鳥の目」が用いられています。東京都の犯罪発生件数を検索してみると、警視庁は東京都における各地域の犯罪発生率を色別で表示しています。また外務省も渡航における危険度として、各国における情勢を注意から退避勧告までに分類し、色別に示しています。これがあるからこそ例えば「この繁華街に出かけるのは危険だな」とか「今この地域では暴動が起きているから旅行は控えよう」と判断することができるわけです。

債務整理の「鳥の目」もこれと同じ。そもそも借金問題を一人で抱え込むと言うのは、次第に悪天候に変わりつつある野山をさまよい歩くようなものです。一歩歩くごとにヤブが行く手を塞ぎ、また一歩歩めば今度は崖が視界を阻む。これでは借金問題から脱出などできようはずもありません。これに対してスキルのある債務整理業者は、地域別の地図でこそ示さないものの、債務者一人ひとりの債務状況が今どの程度の危険度にあるのかを瞬時に判断し、それに応じてアドバイスできるのです。

借金問題でプロに相談をすると言うことのメリットはここにあります。だからこそ相談をする際には借金に関して隠し事をしてはいけません。例えば過去に自己破産を経験していたり、サラ金のみならず、友人・知人やヤミ金からの借入もあったりする場合にも、それを正直に申告すべきです。幾ら体面が悪いからと言って、問題をきちんと述べなければ、本来できるはずの債務整理もできなくなってしまいます。逆にきちんと申告した上で借金問題について相談をするのであれば、自力で返済できるのであればそれを促しますし、今までの経験や実績の上で債務整理をした方が、速やかに人生の再建に貢献できると判断した場合、それを述べることができるのです。

数日後、返済日が迫っているにも関わらず、返済額が用意できない。もうどうすれば良いかわからない。そのようなときには、ためらわずに無料相談フォームにて現状をお伝え下さい。無料相談における返信とは、お客様お一人おひとりに合った地図をお渡しするものです。当所はお客様への無料アドバイスに絶大な自負を持っていますが、そのアドバイスを聞くか否かはもちろんお客様の自由です。ただ、お客様が借金の迷路で迷っている間、当所は鳥の目でお客様の現在の居場所を察知し、どうすれば問題が解決できるかをお教えしていると言うことだけは覚えておいていただければと存じます。

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