債務整理コラム
自己破産後に成功するための2つの法則
自己破産はすべてをゼロに戻す債務整理です。しかし破産後の彼らがどうなったのかと言うと、これは一人として同じ人はいません。ごく普通の生活に戻る人、瞬く間に成功への階段を駆け上がってゆく人、中にはまたも借金地獄へと転がり落ちる人もいます。
自己破産は借金が一千万でも、一億でも、十億でもゼロに戻すことができる債務整理です。しかし、破産をした人はみんな借金ゼロと言うスタート地点に着くにも関わらず、どうしてその後はあっという間に差が出てきてしまうのでしょうか。
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「こんな社会、壊れてしまえばいい」
「世の中なんて滅んでしまえばいいのに」
「何もかも燃えてしまえばなあと思うんだ」
上記は映画の悪役の言葉ではありません。ゲームの最終ボスの言葉でもありません。ごくごく一般の人々がふとした折に口を突いて出た言葉の数々です。
あまり快いと思える類の言葉ではありませんが、しかし、このようなネガティヴなことを述べる人々にはある共通点がありました。それは皆揃って極限的にお金がなかったと言うことです。借金で首が回らない人もいれば、仕事が入らずに焦っていた人もいました。またこれまでは何とか自分の生活は賄えたものの、恋人と同棲をした結果、あまりの収入の少なさに愛想を尽かされたと言う人もいました。いずれにせよ、彼らはお金によって回っているこの社会が壊れることを心のどころかで夢見ていたようなのです。
さて、このような人々が述べる破滅の言葉。よしんばそれが実際に起こったとしたらどうなるでしょうか。すべての人の資産が「せーの」で一斉にゼロに戻った場合、彼らは大成功するでしょうか。
結論から言えば、すべての資産を喪って皆が同じスタート地点に並んだとしても、彼らは成功できません。最初のうちは突然資産を失った人々と足並みを揃えた生活にご満悦かもしれません。しかし一ヶ月経ち二ヶ月経ち、一年二年と過ぎてふと気づいて辺りを見回すと「資産がなくなってしまえば良いのに」との願いで資産を失った周囲の人々は、いつの間にか、少しずつでも以前の生活に戻ってきており、かたや、世界の破滅を願った当人だけが、世界が破滅する前と変わらぬ状況に置かれてしまうのです。
では、なぜそのような事態になってしまうのでしょうか。これは心の向け方が間違っているためです。目を向けるべきは社会ではなく、自分。変わるべきは周囲の人々ではなく、自分なのです。
自己破産もこれと同じ。自己破産の手続きになぜ裁判所が必要なのか考えたことがあるでしょうか。自己破産において大事なことは、どう手続きをするかではありません。自己破産を行うことで、これまでとどう生き方を変えるかを考えることなのです。
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ここまで述べたのは「自己破産をしても、しばらく月日が経つ内に、いつの間にか元の借金地獄に戻ってしまった」と言う人の共通パターンです。
逆に自己破産後に成功する人には2つの特徴があります。それは、
1)制服に自分を合わせられる人
服屋さんに行けば、普通は自分に合ったサイズの服を探します。どうしても合うものがなければ諦めて店を出ます。しかし、自衛隊や警察組織などでは「制服に自分を合わせる」ことが求められます。与えられた服装に自分を合わせると言うことです。
自己破産後に再び失敗する人たちは「自分の望みを叶えてくれない社会が消え去る」ことを望みました。逆に制服に自分を合わせる人たちは「社会に合うように自分を変える」ことを望みます。要するに「当たり前の日常」に自分を合わせられると言うことです。社会に自分を合わせる。これは大人の考えだと言えます。
例えば「これまでは眠たいときに寝て、起きたいときに起きる生活」だったとしましょう。しかし自己破産を行うと同時にアルバイトなどに就労すれば「出勤時間に合わせて起きて、退社後、何時間か後に眠る」と言う社会中心の生活へと変わるのです。この意識を持つことができる人は借金地獄から抜け出し、規律と秩序に則ったごく普通の生活へと戻れます。きちんとした財産や生活があることで、安定した心を保つことができる。故事成語ではこれを「恒産無き者は恒心無し」と述べています。
2)しっかりした目標を設定すること
地図を読むには目的地が必要です。目的地がなければ今の場所に留まるしかないのです。それと同様に人生を歩むには目標が必要です。目標がなければ現状が繰り返されます。極端な言い方をすれば目標が存在しない限り、季節は巡り、身体は老化するものの、本人にとっては同じ「今日」を繰り返しているに過ぎません。
では目標さえ設定すればうまくゆくのか。これも答えはノーです。例えば自己破産をした後「身体を鍛えよう」と言う目標を立てたとします。身体はもちろん健康になるでしょう。周囲の人も「いい体格だね」と褒めてくれるかもしれません。でもそれに何の意味があるのでしょうか。健康であることはもちろん大切ですが、借金地獄に陥っても毎日身体を鍛えることくらいはできるのです。この間違いの原因は(1)の「制服に自分を合わせて」いないことから生じています。
社会を構築し、人々の交流や営みの源となっているもの。それはお金です。お金から顔を背けてはなりません。例え時給850円のアルバイトであっても、お金を稼いでいる限り、社会の本質から大きく外れてはいません。逆にいくら身体が健康であっても、一銭のお金も入らずに借金生活を続けている人はやはり誰の目にも不健全であると言わざるを得ません。
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自己破産後に成功をする人は感覚的にこの点を理解しています。つまり社会の潮流に自分を合わせ、さらにお金を中心に自分の今後の目標をしっかりと見据えることができる人。そのような人は例え少々人生に浮沈があったとしても、最終的には大きな成功を掴み取ることができるでしょう。
社会を幾ら恨んでも呪っても、その思いはいよいよ自分を孤立させるだけです。だからこそ「所詮お金なんて」などと思うのではなく、お金を真正面から見据え、その問題から逃げることなくどう乗り越えてゆくかに意識を割くことが大切なのです。