債務整理コラム
まずは「身体さま」から
外資系の企業は大変なハードワークです。よく日本の企業に較べ、外資系企業は勤め人も会社のシステムもとてもドライだと言われます。日本ならば当然あるような早朝出勤やサービス残業などを外資系の社員らは一切行いません。時間内に仕事を終わらせられないと言うことはそれだけ企業から残業代をせびることになり、その分、能力が低い人として査定が低くなるためです。また有給休暇などは、率先して取らないと会社に怒られます。
さりとて日本の企業がハードワークでないわけではありません。日本人の場合、繁忙期であれば二日も三日も不眠不休のサービス残業で働き、そうしてプロジェクト終了後は赤ちょうちんで気絶するまでお酒を飲むと言うような生活を繰り返します。ただし日系企業の場合、プロジェクトが一段落すれば今度はしばらくの間、だらけきった日常に戻るようです。かたや外国人は大きなプロジェクトが終了した後、確かに打ち上げパーティなどを行うこともありますが、それ以降はあまりのんびりせず、身体を鍛えたり、新しい業務の準備を開始したりするようです。
同じハードワーカーであっても日本と西洋だとなぜこんなにも労働者の態度が違うのか。それは外国人は、個々の向上心が強いことが理由として挙げられます。これはひっくり返せば危機感とも言えるでしょう。たとえば外資系企業の従業員はほんのすこしのミスでも簡単に解雇されてしまいます。大手コンピュ−ター会社で有名になった「ロックアウト方式」などはその典型でしょう。ロックアウト方式とはある日突然上司に呼び出され、これまでの成績や勤務態度などを一つひとつ挙げられます。その後、解雇として一ヶ月分の月給を振り込まれた上で「30分以内に私物をまとめ、出てゆくように」と一方的に告げられて解雇の手続きが完了してしまうのです。
ロックアウト方式を採用している外資系企業は一度荷物をまとめて外に放り出されると、もう二度と社内に戻ることができません。情緒的で浪花節の傾向がまだ根強い日系企業と比較して、外資系のドライな社風では、相応に成果を出さない限り、明日の生活すらままなりません。だからこそ外資系に勤める人は自分の健康についても十二分に留意しています。
ところで、これが借金の返済とどう関係があるのかと思うかもしれません。しかし実は多いにあるのです。
ある居酒屋さんがあったとしましょう。お店は毎月の売上があまり多くなく、不景気のせいだとばかりに日々嘆いています。しかしながら店主はぶつくさ文句を言うだけで、月曜日なら月曜日の、火曜日なら火曜日の常連を店に迎え、うっすら埃をかぶったカウンター越しにお客と一緒にビールを飲みながら、景気と政治について文字通りの居酒屋談義を繰り返すばかり。店主にとって居酒屋の切り盛りは、お店のオープン以来何一つとして変わりません。今日ビールを飲みながら常連と一緒に売上をぼやき、やがて来る明日も同じことを繰り返します。店主の頭の中では昨日の売上も、今日も売上も、一年後のそれも変わりません。しかし現実は非情です。景気が悪くなり続けているのですから、一年後にお店が残っている保証など、どこにも存在しないのです。
さて、居酒屋さんでたとえ話をしましたが翻ってみて借金の返済について考える私たちはいかがでしょう。昨日と今日は変わらず、今日と明日は変わらない生活を送ってはいませんか。昨日がうまくゆき、今日もそれ以上にうまくゆくのであれば、明日はさらなる向上も期待できるかもしれません。しかし借金を負っている私たちには、日々高い利息がついてくるのです。つまり利息が足を引っ張る以上、昨日と今日はけして同じであってはならないのです。最低でも金利を日割り計算した以上に向上しなければなりませんし、自分の生活を考えるのであれば、金利よりは桁違いの成長を見せつけなければ徐々に返済は苦しくなってしまいます。
借金を自力で返済したいと思っている。もしくは債務整理を行って、効率的に人生を再建したいと思うのであれば、昨日より今日は金利以上により良く、今日より明日は金利以上により良い日になるように努めねばなりません。そのために第一となるもの。ここでようやく外資系企業の高給取りたちと同じ目線になります。健康こそが稼ぎの基本なのです。
米国でも問題になっていますが、低所得者層ほどジャンクフードやアルコール、タバコなどの不摂生な生活に浸りやすい傾向があります。借金問題の解決を目指して、今日よりも明日をより良くし、成功者となる人生を歩みたいと考えるのであれば、まずは今日以上に健康になれる明日を目指してみることが大切だと言えるでしょう。
