債務整理コラム

債務整理が終わったら

債務整理が終わった後、ほっと一息入れる人もいるでしょう。債務整理はこれまでに積もってきた借金を大きく減らす法的な措置です。一般の人であればなじみのない行為をするわけですから、当所に一任するとは言え、債務整理がどのような結果になるのか、また整理後がどのような日常になるのか、気をもんでしまい、債務整理の処理が終わると同時に思わず座り込んでしまうのも無理はありません。

逆のパターンもあります。債務整理を行うことで借金は大きく減るか、さもなくば、まったくなくなるかのどちらかになります。いずれにせよ、借金の整理後は自分で働いて得た収入の多くがそれまでとは異なり、自分の手元に残ることになります。このため、債務整理までは勤労意欲が全く湧かなかった人が、債務整理の完了と同時に奮起し、昼夜を問わずに働き出すと言ったかたちです。

上記に二点、債務整理後のパターンを挙げましたが、どちらが良いかは人それぞれです。何もせずにぐったりしてしまう場合、その期間が長く続けば、やがては労働意欲を失ってしまい、人によっては再び借金をしてしまうこともあるでしょう。逆に昼夜を問わず働き出しても、計画性のない無茶な労働のため、しばらくして身体を壊してしまったり、ときに人間関係の悪化が起こったりすることなどが理由で、急激に労働意欲を失ってしまう可能性もあります。

債務整理を行うと言うことは、過去の借金問題を繰り返さない、ニの轍を踏まないと言うことでもあります。だからこそ債務整理が終わった直後は少しばかり休憩期間を設けても良いので、その間に過去の借金問題について振り返りを行いましょう。

なぜ自分が借金を負ったのか。そしてそれがどのように嵩んでいったのか。なぜ返済できなくなったのか。もちろん原因は人それぞれですが、たとえ誰であってもそれぞれが原因を分析することはできるはずです。

たとえば、ついうっかりと連帯保証人になってしまった人ならば、次回からは信用できない人の保証人には絶対にならない。また信用ができてもリスクのあるものには関わらないと言うことが求められます。個人の遊興費やショッピングなどで借金を負った人は、単なる遊興に留まらず、なぜ自分がそれに入れ込んでしまったのかなど、動機に至るまで詳細に掘り込んでゆき、自分なりに納得することが求められます。

反省をすると言うことは結果ではなく、行為そのものに価値があります。動機はどうであれ、過去を反省して次回に活かそうと思えれば、債務整理後の人生は成功へと少しずつ舵を切り始めることになるためです。

また、債務整理後に気力が充実してバリバリ働きたいと言う人ならば、その意欲を労働のみならず、日常生活の隅々にまで活かしてみることが大切です。昼間に働いた後、夜にもアルバイトを入れようと言う意欲は素晴らしいですが、残債の返済に不可欠ではない限り、それよりはむしろ、朝は決められた時間に必ず起床し、夜は同じ時間に就寝する。週に一度は運動をし、部屋の隅まで掃除をする。このような行為の積み重ねであれば、無茶な労働で身体を壊すことなく、歳月を経るごとに少ないリスクで成功の道のりへと人生をシフトさせてゆくことができます。

もう一点忘れてはならないこととして、当初に定めた再建計画にきっちりと則ることがあります。再建計画は人生の再建に至るまでの最低限の地図です。元気が出てきたから仕事を増やすのは大変結構ですが、無茶をし過ぎて結果的に計画通りに進めなくなったら元も子もありません。それよりはまずは計画を遵守しつつ、それに少しずつプラスアルファにするかたちで返済を進めてゆくことが大切です。

金銭と言うものは不思議なもので、多くの人は金銭が極端になくなれば、自分を取り囲む周囲の人々や本人のメンタル、バイオリズム、またその他諸々に至るまで一気に質が低下します。逆にある程度金銭面が充実し、その他の部分にも少しずつ改善を加えてゆけば、やがては自分を囲む人々の中でもあまりよろしくない人々とは自然と縁が切れたり、そのかわりに素晴らしい人と出会ったりすることができるでしょう。

債務整理の後、少しの間休養をすることは間違いではありません。同時に過去の振り返りと、計画に則った規則正しい生活を送ることを心がけてください。

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