債務整理コラム

ヤミ金は「絶対」に借金の解決策にはつながらない

音楽には常に一定層の支持者がいます。ロックンロールやヘヴィメタルと言った若者に好まれる音楽は、世界的に有名なロックスターが誕生することで急に人気が出たりすることがあります。しかし、そのスターの人気が下火になったところで、ロックやヘヴィメタルの市場は一定よりも落ちたりはしません。このジャンルを好む若者はいつの時代にも常に一定層存在するからです。これは演歌のような年配の世代が好む音楽も同じです。そのため、ロックンロールやヘヴィメタルを配信する会社は大きく伸びることはなかなかないものの、ある程度、安定した業績を保っています。

借金の世界にも、ロックンロールやヘヴィメタルと同様に常に一定の需要のある市場が存在します。それはヤミ金です。

ヤミ金から借入をする人とは、これは言い換えればサラ金から借入ができないほど信用が低い人であると言うことです。端的に言えば複数のサラ金から借りられるだけ借金をして、もう誰も貸してくれない段階、多重債務者に陥っていると言うことです。

多重債務者の中には、ヤミ金について誤解をしている人が少なくありません。彼らのヤミ金に対する誤解の仕方には幾つかのパターンがあります。

1)ヤミ金を高利貸しだと思っている人

高利貸しと言う響きの中には一般的な消費者金融、いわゆるサラ金なども含まれますが、ヤミ金の場合、法定金利の上限を超えた業務を指します。もちろん、ヤミ金は高利貸しではあります。しかしヤミ金はサラ金とは全く異なり、そもそも法律の枠外にいる者なのです。法律の枠外にいると言うことは、たとえば1万円の借金をして金利が10日で1割と言われたため、10日後に1万1千円を持っていけば、それで完済とはなりません。いきなり「利息がついて100万円です」と途方もないことを平然と言い出すのがヤミ金なのです。

これらを感覚的に理解している債務者の中には「ヤミ金からは借入はしない」ときちんと心得ている人も中にはいます。しかし、たとえばインターネット内には個人で融資を行っている人などがまれに見受けられます。これももちろんヤミ金です。しかしこの場合「ヤミ金からは借入しない」と債務者は強く念じているにも関わらず、ふと個人が融資をしているのを見かけるや「個人ならば」とあっけなく騙されてしまうことも多々あるのです。また、ヤミ金の中には常に一定の割合で一般的なサラ金に偽装している者もいます。このため、ヤミ金に警戒しているにも関わらず、たとえば零細と思しきサラ金から借入をしようとしたところヤミ金だったことに気づいたものの、結局、押し貸しに遭ってしまったり、個人情報や家族・勤め先の連絡先を渡してしまったりと言うケースも珍しくないのです。

2)ヤミ金を犯罪者だと心得ている人

「ヤミ金は犯罪だから、借入をしても返済する必要はない」と言う考えを持っている債務者もいます。確かにヤミ金は犯罪であり、また最高裁の判例により、借入をしても返済をする必要はありません。しかしヤミ金は債務者がそう考えていることを百も承知でヤミ金業務を営んでいます。

ヤミ金の取立は常軌を逸しています。「指を全部切り落せば返済を許してやる」などと平然とまくし立てる者などは少なくありませんし、家族や勤め先にも同様の恫喝を何百回も何千回も繰り返します。しかし、もし仮に債務者が指を切り落としたところで、ヤミ金はせせら笑うだけで恫喝を続けることでしょう。ヤミ金とはそう言う者なのです。

では、犯罪だから警察署に駆け込めば良いかと言えば、けしてそうではありません。基本的に警察は刑事罰の対象にのみ被害届を受理します。そもそも被害届を受理すると言うことは必ず検挙すると警察署がお墨付きを与えるようなものなのです。受理したにも関わらず検挙しなければ、逮捕率が下がり、警察そのものの威信が下がります。そのため、警察は逮捕できない可能性が高い場合には受理しないことが少なくありません。

オーソドックスなヤミ金のタイプに「090金融」と言われる、携帯電話のみで融資を行う者がいます。この090金融の携帯電話は別の債務者の名義であることがほとんどであり、所在地が確認できません。このため、「ヤミ金に脅されています」と警察署に駆け込んだところで警察官としては検挙ができない上、それ以前に警察は、金融絡みの問題は民事であるとみなすため、ほとんど相手にしてくれないことが多いのです。この結果、「ヤミ金は犯罪者だから」と言う考えで借入をした人は、家族や勤め先・近隣住民などから激しい苦情を受け、人生をめちゃくちゃにされる流れになってしまうのです。

3)借入後の事を考えない人

借入先が銀行であれ、サラ金であれ、借金と言うものは苦しいものです。ましてや返済できないとなると心がすさみ、生活も荒れます。このため、返済できない挙句にヤミ金から借入をすると言う多重債務者も常に存在します。

しかしヤミ金から融資を受けた挙句に「お金がない。もうどうにでもしてくれ」「返せないものは返せない」と開き直る人に対して、ヤミ金は本当に「どうにでも」します。たとえば山奥の飯場でチンピラなどを見張りにつけられ、麻薬漬けにされて現場から出られなくなる可能性もあります。まだ若い女性ならば劣悪な風俗店などで働かせられたり、脅迫された挙句、ひどい内容のアダルトビデオに出演させられたりと言うことになるかもしれません。それで債務者本人が満足するのであれば、誰も止めはしませんが、後になって「どうしてあのとき、あんなまねをしてしまったのだろう」と、生き地獄の中で思うくらいならば、開き直る前にヤミ金にだけは手を出さないと強く心に刻まねばなりません。

このようにヤミ金は多重債務の解決には「絶対」になりません。目先のお金がどうしても必要であったのであれば、日雇いのアルバイトでもした方がケタ違いに救われます。

そもそも一般的な消費者金融の場合、借金問題の専門家に頼めば、たとえ債務総額が大きくなったとしても、問題をこじらせることなく対処が可能です。当所は被害を極限まで抑えつつ、ヤミ金問題を終了させることに強い自負を持っていますが、それでも、たとえ借金が一千万円あろうが、一億円あろうが、ヤミ金にだけは近寄らない方が「絶対」に良いと断言できます。それでも、もし運悪くヤミ金に遭遇してしまった場合には当所にご相談下さい。

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