債務整理コラム

借金を完済しても破滅する?

借金をちゃんと返さない人は破滅します。

「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、借金が返済できないから「生活が」破滅するのではありません。借金を完済しても「人生が」破滅するのです。

借金に行き詰まったにも関わらず、債務整理をしない人が世の中にはいます。どういう人かというと「違法」だったり「まともじゃない行為」に手を染めたりして借金を返す人です。または「棚からぼたもち」だったり「人に甘える」ことで借金をないものにしたり、踏み倒したりして借金から逃れる人です。そういう人はその場では良いかもしれません。しかし大抵がおかしな結末、ぶきみな結末を迎えるのです。

普通の人は借金を返すのであれば働くか、債務整理を行います。きちんとアルバイトなり会社員なりで、苦しい中、コツコツと返済をした結果、完済をしたというのであれば万々歳。晴れて喜びの人生を謳歌することができるでしょう。

しかし、逆に宝くじが当たったとか、ひょんなことから先祖の遺産が入ってきたとか、親が土地を売ってお金を作ってくれたなどという場合は違います。よしんばそれで借金を完済したとしても、大体の人が破滅への道のりを歩みます。

その理由がお分かりでしょうか。

借金を返済するために、債務整理するか、きちんと働くかすることはまっとうな行為です。国がそれを認めています。しかし親や子どもに甘えてお金を出してもらったり、法律違反をしてお金を作ったりするような行為はまっとうとはいえません。

道徳観念のある人にとって法律違反は「悪い」ことです。しかし道徳観念がないか、切羽詰まってそれを超えてしまった人にとって、法律違反は「ペナルティ」の高いものと受け止められます。

「ペナルティ」とは何か。ルール違反を犯した人に与えられる罰のことです。サッカーでもラフプレイはありますね。しかしどう見てもルール違反でも、審判から見えないところで行われるラフプレイにはペナルティが与えられないことがあります。観客がいくらブーイングしても試合が続けられてしまうのです。野球でもバスケットボールでも、柔道でもそういうことはあります。

私達の社会は文化の上に成り立っています。文化は曖昧なようでとても大事なものです。たとえば「人の物を取ってはいけない」という文化がきちんと根付いているから日本は民度が高いのです。日本人ならば、たとえば誰もいない空き家がたまたまあったとして、物取りに入ろうという人はあまりいないでしょう。そういう「文化」があり、またそれが「道徳」として根付いているためです。

でも、たとえば多重債務のあまりについ空き家に入ってしまったという人がいたらどうでしょうか。そのとき、その人の行動はバレないかもしれません。おっかなびっくりです。そうしてそこで得た宝石や現金で、そのときの返済には間に合ったとします。そうするとそれはもう、今までの苦労は何だったのだろうと思えるはず。そうして一度味をしめた結果、次から次へと空き巣を始めてしまうのは時間の問題といえるでしょう。

これは短期的には都合の良いことといえるかもしれません。もしかしたら空き巣を繰り返すことで、多額の借金を見事に完済できるかもしれないのです。しかし、それで借金が返せた後はどうなるのでしょう。働くのも面倒になってしまいます。そうなればもう後は泥棒稼業一直線です。そうして数年後、テレビで「◯◯容疑者は十数年の間に数百件の盗みを繰り返し……」と放送されてしまうのです。もちろん、彼は5年10年の懲役刑の上、空き巣の被害者たちから一生働いても返しきれない額の賠償金を取られることになります。

空き巣の借金返済は極端なたとえです。しかし、世の中には同じように「ルール」を破ることで借金の完済に至り、挙句に逮捕されてしまう人が少なくありません。よしんば逮捕されなくても、やはりそのような人は「文化」や「道徳」といった社会常識の根っこから外れる分、日常生活が荒れ、まっとうな人生を送れなくなりがちです。具体的には、たとえば淫行で逮捕されたり、麻薬で逮捕されたりと、大きなペナルティを受ける人生に結びつきやすい傾向がうかがえます。

債務整理についてデメリットが心配な人は少なくないはずです。しかし、たとえばしばらくの間、カードが作れないとか、サラ金に借金ができないという「縛り」は日常生活の上でけしてペナルティにはなりません。むしろ、そうであることを当然とする、良い人生へと日々を変えてくれるものだと受け止めることもできるはずです。そうすれば、思い切って借金ゼロの状態から新しい成功に向けて人生の舵取りができるようになれることでしょう。

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