債務整理コラム

あなたを見ているのはあなただけ

借金の利息が膨らんで返済ができないかもしれないと悩んでいる債務者は大勢います。このとき、債務者の多くが心配することは返済できなくなった後どうなるか、ではありません。今の時代、借金を負った人のほとんどが債務整理という、借金問題における救済措置を知っています。だからこそ債務者が心配するのは債務整理で陥りがちなデメリット。「債務整理を行いたいけど、周囲に借金を知られたくない」ということがほとんどなのです。

どんな人間でも弱点を知られたいとは思いません。債務者にとって周囲に借金の事実を知られ、責め立てられる姿を想像することは耐え難い苦痛といえるでしょう。周囲に嘲られる自分を想像して、その惨めな姿だけはさらしたくない。そう思うのは、当然のことです。しかし借金はいずれ必ずバレます。少なくとも債務整理をしなければ最悪の形で露呈します。

債務整理を行わず、借金がバレるというのにはいくつかのパターンがあります。たとえばサラ金会社から借入をした主婦が、夫の実家に住んでいるので取立は個人の携帯電話に入れてくれとサラ金会社に連絡したとしましょう。しかしそんな連絡をサラ金が守るはずがありません。これは取立の担当者が変わった可能性もありますし、最初から約束を守るつもりもなかったということもあり得ます。いずれにせよ、義実家に借金がバレたことで義両親はカンカン。離婚沙汰になったというケースはときどき耳にします。

このほか、たとえば借金が嵩んでヤミ金に手を出してしまった場合、ヤミ金は家族はもちろんのこと、債務者の勤め先、配偶者の勤め先、両親・義両親、そしてそれらの勤め先までも探り当ててきます。また隣近所やアパート住まいであれば大家にまで嫌がらせの電話をするのも定番です。これなどは借金の事実がバレるどころか、即座に「出て行け」と周囲から総スカンを喰らいかねない危険な事態といえるでしょう。

今なんとか隠し通せている借金をおおっぴらにしたくないその気持ちはよくわかります。しかし利息は待ったなしです。だからこそ、ここで考えるべきは債務整理を行うべき勇気をいかに奮い起こすかなのです。

債務整理というものは周囲に借金の事実がバレないように作られています。これは債務者が借金に行き詰まった場合、平穏な日常を取り戻せるように作られた国の制度であるためです。確かにクレジットカードなどは一時的に使用不可能になりますが、それはあくまでも生活様式の問題。クレジットカードによって借金ができなくなるのむしろ良いことだと捉えねばなりません。加えていえば、カードが使えなければ各種の支払いなどもできなくなりますが、税金や公共料金などはコンビニで払えば済むだけのことなのです。

唯一、官報によって破産者として表に出るのが自己破産。しかし自己破産で記載される官報を隣近所の人々や勤め先の人が見ると思いますか。官報で破産者名簿をチェックする人というのは、たとえば銀行やサラ金などの金融機関や探偵業などの特殊な人々だけ。普通に生活をしている限り、一般の人は一生手に取ることすらない確率の方が圧倒的に高いのです。

ところがここまでいっても「でも……」と債務整理をたじろぐ人もいます。この根本にあるものは自分のプライドが傷つくことを恐れているため。しかし、ここで肝に銘じていただきたい言葉があります。


『あなたを見ているのはあなただけ』


他人はあなたが思っているほどに、あなたのことなど気にしません。サラ金も何十万人もいる債務者の一人としてあなたを見ているだけであり、隣近所にもそれぞれの生活があります。突き詰めてしまえば、一世を風靡した歌手でもない限り、世界の誰もあなたのことなど気にしないのです。ある意味、冷たいとすら思うほどに世の中はドライだと知ることは大切なこと。つまり家族にだけバレないように気遣うのであれば、借金を隠し続けるよりは絶対に債務整理を行う方が得なのです。むしろ、借金を隠そう隠そうとしてバレてしまい、最後の最後に開き直って大声でわめきちらし、怒り出す方がずっと情けなく、みっともない姿をさらすことになってしまうでしょう。

借金を負っている人の中にはやたらにプライドが高い人が時折見受けられます。しかし、繰り返しますが、あなたはあなたが思っているほど特別な人間ではありません。もちろん卑屈になれとか、賤しい考えを持つべきというのは論外です。ですが、増えゆく借金を必死になって隠すよりは、どうせならば誰にも気づかれないうちに当所に相談してしまうほうがずっと気持ちも、債務も楽になることは請け合いです。

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