債務整理コラム
借金返済を効率よく進めるための2つのアドバイス 2
商売とは、安く買って、高く売る。
借金とは、借金という商品を買うことだと前回のコラムでは述べました。借金の返済が苦しいのは借金という在庫が売れないばかりか、金利によって在庫がますます増えているため。しかも借金を売るのはなかなか難しいものなのです。
でもこれらは一般的にあまり良い顔をされません。社会のルールに違反しているからです。そもそもルールに違反している人はあまり幸せにはなれません。
取立屋は法律を守ってはいますが、やっぱりアコギとはいわれます。世間の人にアコギといわれるのはけっして良いことではありません。アコギといわれ、ののしられ、大変なストレスを感じながらも実はそんなに給料が高いわけではありません。世間の一般的な収入と同じくらいか、場合によっては少し低いくらいなのです。それなのに大変な思いをして取立をしているため、彼らもストレスで胃潰瘍になることは少なくないそうです。
会社が支払いを遅らせる場合、大抵は倒産の兆候だとみなされます。給与の遅配が生じるということはすなわち、会社にもう貯金がないということだからです。また給与が払えないのであれば、当然社員だって生活していけません。それどころか、会社で働く気も一気にゼロになってしまいます。要するに極限状況を示しているのです。
● 借金返済を効率よく進めるためのアドバイス その2
商売とは、信用である。
この信用というものはサラ金会社への返済のような信用ではありません。人間性が信頼できるかというレベルの話です。
踏み倒しを繰り返す人を信用できるかといえば、それは言わずもがなというものです。法人も人格の一つです。では、サラ金会社が人として信用できるでしょうか。働いたのに給料を払わない会社が信用できるでしょうか。競馬場という、ばくち打ちが信用できるでしょうか。
信用のできないところに労働力やお金を注ぎ込んだ。だから騙された。本来であれば返ってくるべきお金が返ってこなかった。つまりはそういうことなのです。
信用ができるとは社会の秩序を守っているということです。社会の秩序やルール・マナーから逸脱すると、短期的にはうまくいっても長期的には必ずしっぺ返しがやってきます。これはたとえばヤミ金業者が好む、携帯電話や架空口座の買い取りのようなものです。
彼らにそそのかされてその気になってしまうと、まず騙されて電話や口座だけを奪われてしまいます。また、それらを用いたヤミ金業者も後に逮捕され、厳しい制裁を社会から受けることになります。これは必ず起こる、紛うことなき事実です。
さて、前回のコラムも含めたまとめをしてみましょう。
借金返済を効率よく進めるためには2点に着目する必要です。
1 安く買って、高く売ること
2 信用ができること
労働力であれ、品物であれ、社会の秩序から逸脱しない範囲で商売を行う。なるべく安く買って、なるべく高く売る。サラリーマンであれば、お給料の中から借金の返済を行い、それで問題がなければ返済を続ける。もっと待遇の良い会社があるのならば転職をする。当たり前のことですね。
社会のルール・秩序を守っているとラクができません。ズルいこともしにくいようにできています。でも逆に困ったときにはそのルールが守ってくれます。
債務整理を誤解している人は少なくありません。借金ができないというところにのみ焦点を合わせてしまい、債務整理を考えると怖くなってしまうようなのです。
彼らはいざというとき、誰も助けてくれません。それどころか1000円・一万円程度のお金で殺されたりするリスクすら負っているのです。
先程も述べたようにこれらは短期的には良くても、長期的にはけっして報われない行動です。社会の秩序を守り、その範囲から逸脱しないようにしっかりと商売をする。借金もモノであり、お金を借りた以上はその時点で商売が始まっていると自覚する。これらを軸に考えてゆけば、どう返済をすべきか、またどの時点で債務整理を行うべきかも容易に気づくことができることでしょう。