債務整理コラム
良いサラ金会社はどこにいる?
債務整理のコラムであるも関わらず、「良いサラ金会社はどこにいる?」とは何事だとお思いになった方もいることでしょう。しかし多重債務に陥った人は大抵質の悪いマチ金・ヤミ金に関わってしまいます。その結果、借金はもちろんのこと、味あわなくても良い人生の辛酸をなめてしまうのです。今回はせめてそれを回避するためには、それほど悪質ではないサラ金会社の見つけ方をたとえに、借入や返済・債務整理を行うにあたって何を考えておけば良いのかについて述べます。
借金を負うと、マチ金・ヤミ金のような悪い貸金業者に関わる可能性が高くなる。そのような悪い業者を回避し、一般的なものを探すためにはどうすれば良いのか。その答えは「サラ金会社の雰囲気をよく感じてみる」ことです。
音楽であれ、言葉であれ、写真や映像であれ、はたまたこのようなコラムであれ、人は何か伝えたいことがあるからこそ、その思いを形にします。
たとえば大手銀行では、客層に合わせて常時2〜3種類は広告を出しています。みなさまも見たことがあるとは思いますが、富裕層向けの広告であれば豪華客船でのクルーズや地中海の景色、宮殿を彷彿とさせる壮麗な邸宅、優雅かつ落ち着いた雰囲気でこちらにほほえみかける女性……。このように述べればなんとなくイメージはつかめることでしょう。これらのキャッチフレーズは大抵が「富裕層向けの資産運用を」などです。でも、何が言いたいのかは明確には伝わりません。
一般層向けであればこういう雰囲気ではありません。芸能人が笑顔で踊っていたり、ちょっとしたジョークを入れたり、家族が笑顔で歩いていたり、病気がちな老人が笑顔で診察を受けていたりといった具合です。テレビCMでは如才なくアピールポイントも伝えます。いわく「利回り低めの不動産ローン」や「子どもの将来のための積立」や「持病のある方でもだいじょうぶな保険」などです。
では、サラ金会社はどうでしょう。派手な音楽や色彩の中で、アニメキャラクターが飛び跳ねていたり、お笑い芸人が騒いでいたりと、何かはわからないものの、楽しくて明るい雰囲気だけは伝わってきます。でも、何が言いたいのかはわかりません。
一般的な客層を相手にした金融業者の広告は、とにかく細かくアピールをします。他との違いを明確にするからです。逆に富裕層向けとサラ金会社は一見すると両方とも何を伝えたいのかよくわかりません。しかし、この2つはまったく対局に位置するもの。そこに「良い金融会社」を探す秘密が存在します。
本当のところ、富裕層向けの広告は「何を伝えたいのかわからない」のではありません。「言いたくない」だけなのです。要するに富裕層向けの金融資産の運用など、本来は内輪で情報を共有してしまい、表に出したくないのです。それどころかCMによって入ってくるお客様など単なる成金であり、あまり関わりたいものではありません。ただ、CMを出すことで税金の控除になったり、銀行のブランドイメージを高めたりするなど、別の役割に期待しているのです。要するに広告でお客様を欲しがっていないのです。
では、サラ金会社の広告はどうでしょう。一時期、サラ金会社であった時代劇風の姫と爺やの小咄(こばなし)やら、「地球よってく?」「いいねえ」の宇宙人のCMなど、意味がまったく理解できません。単におもしろいだけです。
サラ金会社は伝えるべきアピールポイントなど何一つとしてないのです。金利も他社と同じ。取立のやり方も同じ。何かを伝えたくても伝えられない。だから楽しい雰囲気だけをかもしだして目立つことにする。CMで目立つことでなるべく多くに知ってもらい、多くのお客様からお金を借りて欲しい。その一心だけなのです。
目立つためには個性が重要です。お金持ちというのは接してみればわかりますが、生活の形式や人間性にほとんど差がありません。とにかく同じような傾向が強いのです。それは時代的な背景を見ても同じ。お金持ち向けのCMでは、豪華客船と地中海とワイン。少しずつ雰囲気に差はあっても、このような雰囲気はずっと同じものです。彼らは目立つ必要などまったくありません。むしろ、知られることのリスクを極端に嫌っています。
逆にサラ金会社は中身がないほど、時代劇だの、宇宙人だの、ネコだのウサギだのと個性をアピールしたがります。目立たなければ仕事にならないためです。
では、ヤミ金やマチ金はどうでしょう。もっと目立ちたがります。彼らのとっぴさは異様です。その根本は「言っていることそのものがおかしい」点にあります。どこの世界にブラックリスト入りした債務者にお金を貸す人がいるのでしょう。おかしな業者になればなるほどどんどん目立ってくるのです。
同じことは債務整理事務所にもいえます。とにかくハデでギンギラギンの広告を出している債務整理事務所があったとすれば、それは危険です。中身がまるでないことの証明だからです。中身がないサラ金・債務整理事務所ほど言葉にできない自己主張をしたがる。だからこそ目立たないもの。地味なもの。きっちりとしたものに目を向けましょう。一事が万事すべてに通じることです。