債務整理コラム

サラ金はどんな業種よりも怖がり

サラ金業者はコワモテで通っています。その理由も債務者であれば漠然と見当はつくはず。返済が苦しいところに、優しそうな雰囲気と丁寧な態度の人が「○○金融です。あるとき払いの催促なしです。借金の返済をお願いできますでしょうか」などといって返済してくれる債務者がいるはずがありません。逆に見るからにやくざ風の縦縞スーツとパンチパーマのサラ金屋がきて「あの借金どなっての? さっさと返さないと生活できなくなるかもしれないよ。逃げたら果てしなく追うからね」といったらどうでしょう。少なくとも「返さないと嫌だな」という気にはなります。

しかし、見た目がどんなにコワモテであっても、サラ金会社は実はどんな業種よりも臆病なのです。その理由を本日はお話します。

借金はどこまでも追ってくる

お金というのは不思議なものです。追えばどこまでも逃げるのに、逃げればどこまでも追っていきます。とくに借金はその傾向が顕著です。

多重債務で苦しんでいる人の場合、サラ金はもとより、家族・友人、果ては勤め先からも借金をしているという人もたくさんいます。その過程で、借りた相手から「あのお金どうなってるの? 早く返してよ」と催促されたことは数えきれないはず。しかし大抵は「ああ、はいはい。そのうち払いますよ」とか「今ないからもうちょっと待ってよ」といい続け、最後には債権者である彼らも、何も言わなくなってしまうパターンも多いことでしょう。

金の切れ目が縁の切れ目ということわざがあります。これはある意味で本当のこと。友人だから家族だからと信用をしてお金を貸したのに、踏み倒しを繰り返すのであれば、当然その信用は地に落ちてしまいます。

当所では闇金問題の対策も行っています。債務者が一度でも闇金に手を出すと、以降闇金は返済をする、しないに関わらず、債務者に対して執拗な嫌がらせを繰り返します。しかもその連絡先は、債務者は当然のこと、債務者の携帯電話に登録されたご家族・親類・友人にいたるまで脅しを繰り返すのです。この脅しを受けた債務者のご家族の中には「身内だから」とまじめに闇金の相手をする人ももちろんたくさんいます。しかし逆に「あいつには本当に迷惑をしているんだ。うちの知ったことじゃないよ。煮るなり焼くなり好きにしてください。うちは関係ないから」とガチャ切りをしてしまう関係者もたくさんいるのが現実なのです。そうなれば闇金は「それじゃしょうがないな」とばかりに、また債務者にほこ先を戻して嫌がらせを繰り返します。借金はどこまでも追ってくる。これは最もわかりやすいパターンです。

借金から逃れるためには勇気が必要

お金というものの本当に不思議なところ。それは逃げれば追うけれど、一度その場にきちんと留まり、お金そのものに向きあえば、今まで逃げていた問題そのものがスッーと消えてしまうところにあります。

これはどことなく「夏休みの宿題」に似ているところがあります。そもそも宿題そのものをやる気がない人は論外ですが、夏休みの最後の数日、大抵の子どもは「ああ、宿題をやらなければ」とうつうつとした気持ちになります。債務者の方にも同じ経験はあるはずです。でも「仕方がない」とばかりに宿題に向きあえば、その不安はどこへやら、スーッと消えてしまうのです。

立ち向かう相手は借金取りではない

ここで勘違いしがちなのは「じゃあ借金取りから逃げ回らず、正面から立ち向かえば問題は消えるのか」というところです。これは根本的に違います。仮に借金取りに立ち向かって彼らを追い払ったところで、同じ会社か債権回収会社の別の社員が再び取立に来ることでしょう。それでもらちがあかなければ差し押さえになってしまいます。

借金で困ったとき、債務者が逃げまわっているものは何か。いうまでもありません。それは借金そのものなのです。逃げるから借金が追ってくる。それが実態になったものが借金取りであり、取立であるに過ぎないのです。

ページの一番上へ