債務整理コラム
リクルートスーツが着こなせない人は借金生活から抜け出せない?
今回はちょっとセンセーショナルな見出しです。「リクルートスーツが着こなせない人は借金生活から抜け出せない」などといわれてもとまどってしまう人も多いかもしれません。しかしこれはサラ金業者の取立をする人が、まれにぽつんと述べることなのです。
リクルートスーツってそもそもなに?
一部の自営業を除けば多くの人が一回二回は就職活動をしたことがあるはず。このときに着る就職活動用のスーツがいわゆるリクルートスーツ。新入社員になっても、最初の数年はこのスーツを着て仕事をした人も数えきれないほどいるでしょう。
このリクルートスーツは要するに学校の制服と同じ。値段もけっして高いものではなく、「2着目千円」などとポップが掲げられたスーツの量販店で買い求めても何の遜色もないのです。しかもこれさえ着ていれば、一般的な企業であれば、とりあえずは誰も何も言いません。
リクルートスーツはただ着ていればいい。ところがフレッシュマンの中にはそれが逆に作用する人もたくさんいるのが現実。濃い紺色や黒色のような地味で目立たないスーツさえ着ていれば良いのに、新人サラリーマンの中には何を勘違いしたのか、アルマーニやベルサーチのようなブランドスーツを着てきて、入社早々に上司からお叱りを受けるパターンは毎年のようにあるものなのです。また逆に、スーツは地味なのに先のとんがった靴をはいてきたり、ピアスや茶髪のままだったり、キンキラのロレックスをつけてきたりする新人もいます。
着こなせないことの本質は?
周囲と同じ地味なスーツを着れば良い。ただこれだけのことなのに、場違いなブランドスーツを着てきたり、ハデな時計をしてきたり、ピアスをつけたりする人がいます。別にそれらが悪いというわけではありません。そういう格好や服装が喜ばれる業界もあります。ただ、一般的な会社であればそれらはご法度なのです。
そうであれと決められたものに対して「なぜそうなのか」を問う必要はありません。学生であれば、そこに懐疑心を持つこともときには大切かもしれません。でも、それは「良い生徒」ではありません。社会は義務教育ではありません。本番なのです。社会が「そうであれ」と決めた格好で働いてお金を稼ぐことが目的なのです。もし、リクルートスーツに疑問があるのであれば、それは教育者や社会学者、もしくはデザイナーなどのような仕事に就くべきなのです。
着こなせないのは未熟さのあらわれ
リクルートスーツを着こなせない。もしくはどこがちぐはぐな格好をしてしまい、着方を知らない。それは一言でいえば「未熟である」ということです。
「人は見た目ではない」という人がいます。もちろんそうです。世の中には色々な人がいます。背が高かったり、低かったり、眉毛が濃かったり、薄かったり、ときには頭髪がちょっとさびしい人だっているでしょう。でも、世の中は大体その程度は許容しています。そして世の中の第一歩を示すリクルートスーツも、その程度は大体許容できる範囲で製品が作られています。要するにそれは世の中に認められている範囲なのです。
しかし、それとは別に個人的にリクルートスーツ以外の服装を着てしまったり、学生時代の名残のような格好をしてしまったりすることは話が違います。その格好で表現されているものは何か。それは「自分にはリクルートスーツなどは似合わない。キンキラキンの格好をするから、社会が自分に合わせてくれ」という未熟な精神なのです。
リクルートスーツで借金を返してみる
人は見た目で判断されます。サラ金会社に返済をする際、きちんと髪を整え、スーツを着て返済に行ってみればわかります。逆にボサボサの髪と無精ヒゲ、カーキ色のジャンパーと染みだらけのジーンズで返済にいってみても結構です。きっと対応が違うことでしょう。
サラ金会社の受付の人がいちいちお客さん一人ひとりを見ているわけではありません。でもスーツを着て返済をするのであれば、彼らですら「この人はがんばって自分から社会に合わせようと努力しているんだな」という程度の対応はしてくれるはずです。
そしてもうひとつ。たとえサラ金会社への返済であっても、債務者の方がスーツを着た結果、それなりの対応を受けることはできるはず。そうなれば債務者自身も、社会を見る目が少し変わることでしょう。まじめに働く気があるんだなと思われたということは、少なくとも周囲の気持ちの中では社会の仲間として認めてくれたのです。そうなればしめたもの。スーツをきちんと着こなし、それに合った社会生活を目指してみましょう。最初は少々しんどくても、一度はずみがついてしまえば、後は坂道を転がるように借金はどんどん目減りし、やがては再び社会がその扉を開いてくれることは間違いありません。
最後に
リクルートスーツと借金は一見すると何の関係もないように思えます。しかし、スーツとお金は切っても切れない関係。スーツを着こなすということは、お金を稼ぐという意識の現れでもあるのです。
人の頭の中身など誰もわかりません。心の中もうかがいしれません。しかし服装を見ればその人が「私はこのような人間です」と表現していることはわかります。
鏡の前で自分の今の格好を見てみましょう。それがあなたなのです。「なるほどそうなのか」と頷いた方も、「本当の私はこんな格好じゃない」と思った方も、その思いも含めてそれが今のあなた自身。それが本当に理解できたとき、自分がどのような格好をしなければならないかも自然と気がつくはずです。