債務整理コラム
偽物を身につける債務者は借金返済がはかどらない 2
偽物ブランドを身につけると借金が返せない2つのわけ
偽物ブランドは相応の環境でしか通用しません。これが偽物ブランドを身につけると借金が返せない第一の理由です。
日本では、偽物でハッタリがきく環境は非常に浅く狭い。そのような場所で人をだまし続けても、銀座のホステスのような一流の世界にはけっして辿りつけないのです。またそのような場所に出ればあっという間に足元を崩されてしまうため、偽物ブランドを身につけている人はいつもこそこそと日陰をうろつくしかないのです。これではいつまでたっても高みへと歩んでゆくことはできません。
そしてもう一つ。偽物ブランドが人に悪影響を及ぼす深い理由があります。これは何かを身に付けることの本質です。
たとえばあなたが大好きなブランドの偽物を身につけたとしましょう。どう見てもそっくりで、品質だってけっして悪いものではありません。しかしあくまでも贋作なのです。
さするとどうなるか。他人は誰もそれを指摘しません。先の銀座のホステスですら見抜けない贋作です。しかし他人がその真贋を観抜くかどうかは問題ではないのです。自分自身が偽物だけを身につけていることを知っています。
何かを身に付ける。それは自分を表現するということです。ブランドを身につけている人は「私はこのような人間です」と周囲にアピールをしているのです。言い換えると私とはこのような人間なのだ。と自己認識しているのです。
偽物を身にまとって、周囲から高いステータスをもっていると思われたいのです。本当は財布の中身は小銭しかないのにお金がある、すごい人だと認められたいと思っているのです。こういう人が借金の返済ができるでしょうか。
高いブランドより、身の丈にあった普通のものを
すごいと思われたい。周囲に褒められ、ちやほやされたい。どんな人間でもそういう気持ちはあります。しかしブランドの偽物はろくな結果を生みません。
本物のブランドには力があります。それを身につけている人は相応に目が利く人が多いのです。ブランドをではなく、それを身につけている人を、です。だから日頃より本物のブランド品に親しんでいる人が、贋作を身につけている人に一回二回質問をすれば、たちどころにその正体を暴くことができます。
もちろん偽物だからといって何もかもを卑下する必要はありません。偽物には偽物の楽しみ方もあります。大阪のおもしろい人のように堂々と偽物を身につけて「これよくできとるやろ。ロレックスのパチもんやで」とやれるのであれば、それはそれでたいしたものです。しかしこれは偽物を本物といつわっているのではありません。偽物を偽物であるとして楽しんでいるのです。
時計を例にして話をしたが、これは別に時計に限ったものではない。スーツであれ、靴であれ、車であれ同じものである。
贋作ブランドはお金を生み出さない理由はこの辺りにあります。もちろん高いものを身に付けろという話ではありません。お金がないのであれば、お金がないなりに清潔な格好をしていれば良いだけのこと。ブランドはステータス。ステータスがないのにステータスを偽ろうとするから失敗するのです。偽物を身につけて見栄を貼るよりは、身の丈にあわせて何もつけなければ良いだけの話なのです。