債務整理コラム
人生を変える債務整理の方法 2
前半は厳しいお話でした。
「なくて七癖」といいますが、自分の暗い面に気づき、そこから立ち直るというのはとても繊細で勇気のいる作業です。そのような作業を行うのに一番効率的な道のりは、他人に指摘してもらって愚直にその指摘に従ってゆくことです。
だからこそ、前半ではまず厳しい言葉で問題点を指摘いたしました。前半の言葉に愚直に従ってゆけば、借金が減ることはあっても増えることはなくなります。最悪でもゆるやかになります。借金をしようという意識にストップをかけることができるからです。
後半は、この借金問題から立ち直り、成功へと歩んでゆける方法について記載します。
1 閉じた心では同じことを繰り返す
借金をすると視野がおそろしく狭くなります。一週間後、二週間後の返済で気持ちはいっぱい。へたをすれば数時間先くらいまでしか物事を考えられなくなるでしょう。しかも考えている内容は「どうすれば返済を何とかできるか」だけになりがちなのです。
これでは自分のことしか考えられません。それも自分の人生の全部ではなく、ほんの数時間、ほんの一分野にだけ意識を集中させてしまっています。
このときに役立つのが「自分は借金が好き」という自分の暗い側面です。自転車操業をさらに加速させるよりも、やるやらないは別として、たとえば当所に相談だけでもしてみるなど、別の方法を取ってみるとまったく見えてくる世界が異なります。
実際、いざ債務整理を行ってみても、しばらくすると、またも借金生活に陥ってしまう人がいます。それはその人が「自分は借金が好きなんだ」という面に気付かなかったからなのです。
これに気づけない人は同じ問題を繰り返します。なぜかというと、債務整理によって借金がゼロになったとしても、借金で首が回らなかった頃と心構えそのものがまったく変わっていなかったからなのです。
借金取りが来たときに居留守を繰り返し、何度も踏み倒しをしていた頃、債務者の周囲にはあまり人がよりつかなかったはずです。いたとしても質の良い人間とは到底いえないような輩ばかりだったことでしょう。
債務整理をした後も、この頃と同じような自己中心的な対応をしていれば、やっぱり人は去ってゆきます。味わってみればわかりますが、借金がゼロになるというのは大変な喜びです。爽快感に包まれます。でも、人が寄り付かないのであれば、お金も当然流れてきません。そしてお金が流れて来ないのであれば、自分の未来から前借りするしかないのです。借金がない幸福は一時的なものとなってしまい、結局、すべてが元のもくあみになってしまうのです。
それを解消し、お金が良い循環を生み出すためには何をしたら良いのでしょう。
2 閉じた心を開いてゆこう
借金に追われると心が閉じてしまいます。債務整理を行えば、この閉じた心を開けるためにびっくりするほどの爽快感を味わえます。目の前がパッと開けるのです。
でも債務整理を終えた後でも「お金を何とか増やさないといけない。そのためには他人なんてどうでもいいや」というような心構えを続けていけば、心が閉じているために、他人は誰も寄り付きません。人が寄り付かないのであれば、当然お金も流れてきません。
閉じた心を開くということは、心のラインをもっと高く持つということです。自分だけではなく、自分もみんなも幸せになるためにはどうすれば良いのかを考えるということでもあります。これを考えられるようになると、人と親しく接することができ、やがてお金も正常に循環するようになるでしょう。
もちろん、自己破産をしたのであれば、借金はゼロになったものの、預貯金だってほとんどないはず。そういうときには、当然自分の生活をしっかりとすることが大事です。でも、だからといって他人に迷惑をかけたりするのは筋違いも良いところ。すぐに周囲は嫌な顔をして付き合いを断ってしまいます。
周囲の人は頭が悪いわけではありません。ケンカが強かろうが、口がうまかろうが、自己中心的な考えだとやっぱりすぐに見ぬかれてしまいます。
他人の幸福も考えつつ、自分の幸福も考えてゆく。このバランスをしっかりととってゆくことで、生活はどんどん良い方向へと切り替わってゆくのです。
たとえば周囲の人が困っていたのであれば、お金はなくとも、知恵を出したり、人をつないであげたりして助け舟を出してあげる。その気持ちが伝わることが先決。何もすることがないのであれば、家の周りの掃除もしてみるとか、ボランティア活動をしてみるような心の余裕を持つことが、みんなの幸福につながります。
3 まず自分。でも自分も周囲も幸福に
お金がない人はリスクを負った一発逆転を好みます。ギャンブル依存症の人が後を絶たないのはそれが理由です。
確かに会社単位で見ても、周囲に迷惑をかけながら荒稼ぎをした事業はたくさんあります。でも、そういう会社で長続きしているところは見たことがありません。大体、数年で砂上の楼閣は崩れ去り、何もしないよりももっと悲惨な状況へと転げ落ちてゆきます。
逆に少なくとも金額に相応か、それ以上のサービスをしているような事業は一時的に落ち込みがあったとしても、必ず立ち直り、長い繁栄を築いてゆきます。お客さんが「面倒だなあ」とか「やりたくないなあ」と漠然と思っているような繊細な面にしっかりと意識を当てて、勇気をもってそれに取り組むことができるからです。
債務整理もこれと同じです。自己破産をした後、荒稼ぎをしようと欲を出せば、当然周囲の人はその分だけ損をします。そしてそのツケは目に見えないところで金利のようにジリジリと負債を増やしてゆき、あるとき一斉に形となって跳ね返ってくるのです。
そうすれば結局、自己中心的な人は、自分の生活が潤う程度でお金は頭打ちになってしまいます。そして後日、必ず同じ場所へと落ちてゆくのです。言うまでもありません。それは借金地獄です。
そうならないためには、お金を儲けたら、少しでも良いので周囲の幸福にも貢献することです。ただし、大切なことは分相応を守ること。みんなのためだからといって借金をしたり、生活を苦しめたりしてまでボランティアに精を出すのは筋違いです。よくボランティアにばかりかまけて自分の生活をおろそかにしている人に出会いますが、それは一般的な生活からかけ離れたものであり、お金の面から眺めてもけっして幸福な生活であるとはいえません。
「まず自分。でも自分も周囲も幸福に」。その心構えをもって債務整理をするのであれば、必ずその後の生活は幸福なものへと変わってゆきます。