債務整理コラム

正しいお金の使い方を学べば、借金生活から脱出できる 2

では、正しいお金の使い方にどのようなものがあるのか。

人が何に価値を持つかは自由です。道ばたの石ころにお金をたくさん出す人もいます。テレビの鑑定団の番組のように、見るからに古ぼけた茶わんに何千万円もの値段がついて「えー」となることもあるでしょう。

でも、誰もが幸福になるお金の使い方。社会も自分も幸せになれるお金の使い方というのもきっと存在するのではないでしょうか。

これはあくまでも一例です。

刑務所に入った人たち、受刑者は職業訓練を受けます。彼らの作ったものは刑務作業品と呼ばれます。

刑務作業では家具も作ります。桐のタンスや化粧台などです。あまり知られていませんが、これらはともすれば一流ブランドの品以上に出来が良いものがたくさんあります。本職の家具職人が指導をする上に素材も良く、展示場では数万円から数十万円の値段で出品されているものも少なくありません。

これらを作った人たちは犯罪者です。社会で周囲に迷惑をかけ、苦しませてきた人たちばかりです。しかし、そういう人間たちであっても、必ずなにがしかの理由があります。幼い頃からひどい環境で育ち、罪を犯すほかに何もできないし、知らないで育った人たちもたくさんいます。

そういう人たちが贖罪の気持ちを込めて作った家具を購入する。そのお金はどうなるでしょう。元犯罪者である受刑者の手元にはいきません。でも、懸命につくった家具が数十万円で売れたとしたら、彼らはきっとこう思うはずです。

「自分が作ったものが良い値段で売れた。良いものを一生懸命、まじめに作れば報われるのか。世の中というのはこういう風になっているんだなあ」

ブランド品ですなどと周囲に自慢さえしなければ、買った人も十分満足でき、作った人も喜び、そして支払ったお金はめぐりめぐって社会の幸福に寄与します。

繰り返しますが、上記はあくまでも一例です。良いかたちでお金が流れてゆく道筋はほかにもたくさんあることでしょう。大切なことは、単にボランティアとしてお金を寄付をするのではなく、お金を支払った人も、受け取る人も、社会も喜んでいるお金の流れを見つけることです。なぜなら、そこには支払う側から無理やりお金を取ろうという悪意が存在しないからです。悪意が存在しないから、払う側も、受け取る側も、お金そのものもみんなが笑顔になれます。当然、品物を手に入れた分、自分の価値も高まります。次第次第に生活も豊かになってゆきます。

払う側でも、受け取る側でも、誰かが「いやな思いをしたなあ」というのは正しいお金の使い方にはなりません。流れ流れてゆくお金を見つめ、ときにお金そのもの気持ちになってみる。お金になった自分の手元にいった人がみんな笑顔になってくれる。なるべくそういうお金になるように、お金を使えばいずれ手元に返ってくるお金も、幸福感とともにあることでしょう。

誰もが幸せになるようにお金を用いること。そのお金の流れには、自分も、家族も、周囲の人たちも、社会も、何か一つでも欠けてはいけません。何かが欠けるとそこからしっぺ返しが返ってくるからです。

繰り返しますが、誰かが損をするようなお金の使い方をすれば、必ずしっぺ返しを喰らいます。だからこそお金を使うとき、自分なりにお金の気持ちになって考えてみましょう。下品でギラギラしたネオン街、ギャンブル、キャッシングの広告に悪意はないでしょうか。そこに流れてゆきたいと思うでしょうか。そこにゆくことで、お金である自分はみんなを幸せにできるでしょうか。

一見すると遠回りでも、正しいお金の使い方に目を向けることこそ、借金地獄を遠ざけて人生をより幸福にするための最短距離だといえるのです。

ページの一番上へ