債務整理コラム
借金問題の失敗体験を学ぶと解決の早道に繋がる
借金問題について調べると「私はこうして多重債務問題を終わらせた」といったエピソードが山ほど出てきます。確かに思わぬところで意外な法律の知識を得たり、取立への対処方法を知るなど、他人の体験は学ぶ側にとっても貴重な追体験になるものです。しかし、借金のかたちというのは百人百様です。他人がうまくいったからといって、まったく同じことをしてもそれで借金問題が解決できる見込みはかなり薄いといえます。しかし、失敗について学ぶと意外にも役立つことが多いものです。
債務の問題はいたるところに落とし穴が潜んでいます。これを学んでおくといざというときに「あ、ここで失敗したという人がいたな」とワナを迂回することができるのです。
たとえば任意整理をしたいとある弁護士に相談をしたとしましょう。それがうまくいかどうかは弁護士の腕前次第です。行き当たりばったりで、駅前の看板につられて入った弁護士事務所ではその腕前はわかりません。しかし、事前に評判などを調べて依頼をするのであれば、ある程度の信頼はできるはずです。
そもそも何となく「だいじょうぶかな」と思うような弁護士・司法書士に債務整理を委任すると大体失敗するものです。思ったよりも減債や繰延ができなかったとか、交渉が決裂したというパターンです。しかし、事前に評判が良く、かつ話をして信用できるような弁護士・司法書士であれば、少なくとも大失敗は回避できるでしょう。
またときどき進捗を聞いてみると失敗しているか成功しているかも漠然と判断ができるものなのです。腕の悪い弁護士のよくあるケースだと進捗をたずねてもムニャムニャいうだけで話が進展していない。もしくは急に怒りだしたり、最悪であれば電話に出なかったりというケースもあり得るものなのです。
そういう場合、典型的な大失敗だといえます。長い目で見ればこのような弁護士は懲戒請求をされて大目玉を食らうことになりますが、委任した債務者個人にとっては大変な手間だけがかかってしまいます。こうなると弁護士を乗り換えたりと二度手間三度手間が発生してしまうためです。
このような状況が生じてしまうのはもちろん弁護士が悪いのですが、同時にしっかりと下調べをしなかった自分の責任でもあります。債務整理において評判の良い弁護士と自称するところはいくらでも存在します。ただ、そういうところよりも「ここに頼んだらひどい目に遭った」というところを調べた方が、上記に述べたような最悪のパターンだけは回避することができたはずです。
そして、ここで学んでおきたいことはもう一つあります。債務問題においてなぜ自分が失敗したのか。それについて学ぶことができないと、債務整理においてもリスクが生じます。たとえば、自分がズボラで返済すべきお金をずっと放置していた。そのせいで債務が膨れ上がったとしましょう。この場合、問題はズボラであることです。これが失敗の原因であると気づくことができないと、債務整理の弁護士選びにおいても、先に述べたような行き当たりばったりのパターンに陥る可能性が濃厚になってしまうのです。
逆に債務問題で失敗した段階で「自分がズボラだったからこんなことになったんだ」と悔やむができれば、弁護士選びにおいても多少はマメになることができます。そうすれば少なくともろくに交渉もしないで和解するような弁護士だけは避けることができるはずなのです。
何かを行うにあたって失敗するポイントというのは実は同じようなところに集中するものなのです。だから他人の評判を聞いて「あそこに委任したら、態度ばかり偉そうでふんぞり返ったあげく、ろくな債務整理をしてくれなかった」というような失敗談をいくつも仕入れることができれば、それだけで成功への早道を得ることができるといっても実は過言ではないのです。