債務整理コラム
借金問題の対策の次に考えるべきは ２
借金を除き、支払いについて必ず考えなければいけないもう一つの問題。
その大きな問題とは税金。誰もが支払いにうんざりするあの税金です。
税金と言うものは会社員であれば勝手に源泉徴収されてしまうため、なかなか実感しにくいものですが、個人事業主や自営業者の場合、多く払いすぎても一つも良い事がありませんし、逆に少なく払っていると、ある時突然大目玉と言った事態になりやすいのです。
税金を滞納すると、ある日、いきなり差し押さえになってしまいます。そうなってしまうとこれまでの予定が全部台無し。サラ金への支払いを考えていたにも関わらず、ある時にわかに銀行口座が差し押さえされてしまうため、最終的には生活の再建も立ちゆかなくなってしまう事すら世の中には存在しているのです。
しかも、税金を滞納すると延滞税がかかります。この延滞税は懲罰の意味も含まれていますが、大変に金利が高いと言う恐ろしいデメリットがあるのです。この滞納税の利息はサラ金よりも高いのが一般的。なぜなら、もしサラ金の利息の方が、税金の延滞税よりも高い場合、債務者は当然サラ金への返済を優先してしまうためです。
この点も含めて税金の延滞はサラ金よりもデメリットが大きくなってしまうのです。そして、税金において最も恐ろしいのがいかなる場合でもそこに免責が発生したりはしないと言うことなのです。つまり、借金が一億あって返済ができなくなった場合、債務整理を行えばその借金は大幅に減額、もしくはゼロにする事が可能です。また手続き期間においては金利もつく事がありません。
しかし、税金においてだけはそれはできません。サラ金の借金がいくらであっても構いませんが、税金が嵩んでいてもそれを免れる手段は存在しないのです。このため、多重債務を全部整理して借金をゼロにし、さあ心機一転と就職した途端、税務署から督促や差し押さえをされてしまう可能も十二分にあり得るのです。
このように恐ろしいのが税金の問題。言うまでもありませんが税務署と言うものは役所です。役所や役人はミスをする事を最も嫌います。つまり、脱税や滞納をしているかどうかわからない、もしくは滞納している雰囲気は濃厚であっても、それが確定していないのであれば税務署が手を出してくる可能性はさほど高いと言えません。
しかし逆に一度税金の滞納者として督促状などを送ってきたのであれば、そこから逃れる手段は皆無に等しくなってしまうのです。ただ、税務署と言うものはサラ金よりはまともに話ができる機関ではあります。不法に脱税を繰り返したと言うわけではなければ、まずは自分から税務署に話をしてみると支払い回数などを繰り延べしてくれる可能性はおおいにあるでしょう。
とは言え、滞納した税金をどう返済するかの手段や回数などについては、税務署員個々人によってかなり対応が違います。また国税であるか、地方税であるかによっても異なります。たとえば所得税の支払いができないと税務署に相談をすれば、金利もほとんどない等しい程度にまで抑えて分割払いをしてくれる可能性もあるでしょう。しかし、たとえば都庁の主税局などはあまり融通が利かないと言われることもあるようです。これは分割払いには応じてくれても、高い金利をつけてきたと言うケースを幾度か耳にしています。
いずれにせよ、細かく所得や資産を調べた挙句、生活費のギリギリまで返済に回すように言って来る所員もいれば、債務者の生活リズムに合わせてかなり長く繰り延べしてくれる人もいます
このように怖い税金ですが、では、サラ金への返済よりも税金を優先するべきかと言うとそうではありません。サラ金の場合、返済ができないと信用情報に傷が残ります。この傷ができてしまうと、たとえば子どもの学費のための借り入れができなくなったり、住宅ローンの返済に支障をきたしたりする可能性があります。
税金は強制的なものですが、借金ではありません。稼ぎに応じて国が勝手に徴収するものです。だから支払う意思がなければ国も相応の強制性を発揮しますが、支払う意思があるけれどもサラ金への返済のために支払えないと言うのであれば、柔軟に対応してくれる事がほとんどです。
ともあれ、税金はいつか必ず払わなければなりません。自己破産をした後、今度は税金の支払いなどと続いては、生活の再建もままなりません。だからこそ、この両者のバランスはしっかりと見つめるべき。借金さえなんとかなれば後はどうにでもなると思いがちな人も多いようですが、大抵は税金を支払いを見落としているために後で四苦八苦してしまうのです。
だからこそ、税金に関しては逃げる事なく、話をきちんと先につけておく。サラ金の場合は話をしてもらちがあかないのですから、債務整理をしっかりと行う。この両者の区別をつけておく事で、借金問題が終わった後も生活の再建が格段に楽になる事は間違いありません。
