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1月から相続税増税=基礎控除縮小、都市部は要注意
来年1月1日から相続税が増税される。遺産への課税額を減らす基礎控除の縮小により、特に地価が高い都市部の一戸建てを相続する場合、これまで相続税とは無縁と思っていた人も納税を求められるケースが増えそうだ。
相続財産から差し引く基礎控除は今回、4割も縮小される。これまでは1000万円に法定相続人の人数を掛け5000万円を加えた額だったが、1月からは600万円に法定相続人の人数を掛けて3000万円を加算した額になる。
例えば、相続人が配偶者と子ども2人の計3人の場合、現在は遺産が8000万円以下なら基礎控除で全額差し引かれ相続税はゼロ。しかし、1月からは4800万円を超える部分は課税対象になる。 2013年に亡くなった人のうち相続人が課税対象となったのは5万4000人で、全体の4.3%。15年は6%台に増えると財務省は予測する。
基礎控除の縮小に合わせ政府は、夫を亡くした妻など遺族が持ち家を失うことがないよう「小規模宅地等の特例」を拡充する。ただ、申告期限までに相続人の間で遺産分割を終えるなど条件があり、国税庁は「適用要件をよく確認してほしい」と注意喚起している。
東京税理士会によると、「相続税を節税できる」を宣伝文句にマンション購入を勧誘する業者が増加。一般的に現金をそのまま相続するより不動産に換えた方が課税額が下がるためだが、「買ったマンションのローンで苦しむ人も少なくない」(廣岡実税理士)とされ、慎重な見積もりが求められそうだ。
一方、来年1月から贈与税は一部で減税となる。20歳以上の成人が親や祖父母から贈与を受ける場合、400万〜3000万円であれば税率が5〜10%下がる。教育資金の一括贈与への非課税措置も含め、相続税対策としての生前贈与を後押しする内容だ。
引用元:時事通信 2014年12月28日(日)
安倍政権になって以降、あらゆる分野で増税が行われています。この中であまり表立って報道されていないものの一つに相続税の控除額の縮小があります。
いわゆる富裕層の目安として「一億円以上の資産を持つ人」が挙げられます。日本ではこの富裕層の人口が概ね100万人程度といわれています。しかし右を見ても左を見ても、テレビのセレブ層のような豪華な暮らしをしている人はあまり見かけないはずです。
この富裕層は年齢別に見ると60代以上の高齢者層が全体の半分以上を占めています。加えて日本は外国に比べると不動産による資産の割合が高いのが特徴です。
これはつまり、代々一戸建て住宅に住んでいた家族が高度経済成長期を経て地価が上がり、資産的には数字の上だけお金持ちになっているということを示しています。要するに「一億総中流」の名残なのです。
そもそも外国では家は何百年でも住むものとして扱われています。だから古い家をきちんとリフォームすれば、それだけで売値が上がるのです。それに引き換え日本の場合、建物はどんなに傍目にすてきでも、築三十年を超えるとその価値はゼロ。建て替えのために住宅ローンを組まなければ大きな相続税がかかってきてしまいます。
今回の相続税の控除の縮小は、この建て替えを加速させようというもくろみも見え隠れしています。しかし、給与が減っている上に地価がどんどん下がっています。しかも家は建てた先から価値が減ってしまうのが現状です。
だからといって相続税をかければ今度は税金が払えずに破産という憂き目もありえるでしょう。そうなれば個人再生のラッシュになるかもしれません。
建てるも地獄、建てないも地獄、建ててがんばるなら住宅ローン地獄。あまり大きくは報道されていませんが、相続税の基礎控除の縮小は将来の国民の生活を大きく圧迫するものとなりそうです。