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「小悪魔ageha」のインフォレストが自己破産
帝国データバンクによると、雑誌「小悪魔ageha」で知られるインフォレストと関係会社のインフォレストマーケティング、インフォレストパブリッシングの3社が11月25日付けで東京地裁に自己破産を申請し、12月9日に破産手続き開始決定を受けた。インフォレストは4月に事業を停止していた。
負債は、インフォレストが約29億円、インフォレストマーケティングが約5億3800万円、インフォレストパブリッシングが約4億8400万円、3社合計で約39億2200万円。
インフォレストは2002年に英知出版から会社分割する形で設立。傘下の出版部門で「小悪魔ageha」のほか「女子カメラ」、PC誌「PC・GIGA」などを展開し、2008年3月期の売上高は約59億4500万円、新規事業として通販事業を開始した09年3月期には売上高約74億9600万円を計上していたという。
だが既存雑誌の売り上げが頭打ちとなり、雑誌の廃刊や景気低迷で広告収入も減少。12年3月期には売上高が約43億7900万円にダウン。資金繰りが限界に達し、4月に事業を停止した。その後、出版物などコンテンツの売却を進め、「女子カメラ」はミツバチワークスが譲り受けた。
引用元:ITmediaニュース 2014年12月12日
「小悪魔ageha」などで話題になっていたインフォレスト社が倒産しました。「小悪魔ageha」はギャル系の女性向けファッション誌。いわゆるキャバクラ嬢などをターゲットにしたものです。
この手の雑誌はとかく栄枯盛衰が激しく、売れるときは爆発的に売れますが、一過性のためにあまり長続きしない傾向があります。というのは、キャバクラ嬢のトレンドを追いかけるのは手がかかります。しかもage嬢と呼ばれる彼女たちはいわゆるギャル系とヤンキーを混ぜたような位置づけ。このため、インタビューの内容も非行・いじめ・虐待・引きこもりや家出など、おそろしく暗いものになりがちなのです。
書籍(雑誌)は販売部数そのものよりも広告で収入を維持する傾向があります。最初のうちはハデなメイクとファッションで目立った雑誌ではありますが、その内容の暗さを考えるとage嬢たちを雇うキャバクラなども広告を出すには少々及び腰にならざるを得ません。
また、何人ものカリスマ嬢を出した小悪魔agehaですが、主な市場であるキャバクラ嬢たちの数はそれほど多いものではありません。しかも取材をするにもやはり裏のある業界。色々と根回しも必要で、それは普通の編集者にはなかなかできないことでしょう。しかも雑誌そのものも、渋谷などで毎日を楽しく過ごしているギャルたちが購入するにしては、かなりヘビーな内容。毎月購入するには少ししんどい印象もあります。
話を戻すと、インフォレスト社の倒産は去年の春頃からささやかれていました。この間、インフォレスト社の周囲では大分ごたごたした噂が流れていたようです。会社が倒産するときには社長および関係者がその負債を抱えてしまいます。このため、どの時点で事業を停止したり、残った資産を集めたりするかなど、きわどい事態を招くことが少なくありません。もちろん従業員への支払いや銀行をはじめとする債権者からの取立などもあったようで、ずいぶんと色々な噂が流れたようです。
十五年ほど前から出版不況がささやかれはじめ、現在では出版社の倒産が相次いでいます。インフォレスト社の試みは大胆かつ新規性のあるものではありましたが、事業の成長の規模を考えると、リリースと同時に事業の引き上げ時もはじめに見定める必要もあったのかもしれません。